寄り道
 
  「いつかは、きっと..」
 
  雪が少ないと安易に思っていたが、例年以上に雪が降った。
 何だかんだいっても自然の力には、計り知れないと実感している。
 こんなに寒いと、考え方も変に、こぢんまりなってしまう。カラスが
 頻繁にヒヨドリに与えるリンゴを人知れずに、そーっと来て食べに来
 ている。私も、冷蔵庫を見た時、お菓子があったので内緒で食べよ
 うと当たりを見回し箱を開け。口元に持っていた時に「食べ物を与え
 ていない子供のように」と言われ、カラスの様にうまくいかなかった。
 おもうように頭と身体がすんなりと行動に移せなかったのは、寒さの
 為か年の性か。街に出掛けるのに、除雪が追いつかず車道の端に雪
 を出すものだから、車道がボブスレーのコースの様に凹形に成って
 いて中央線よりに、横滑りしやすい状態になっている。対向車とすれ
 ちがうのが大変だ。そのような状態で家内の運転で出掛けた。「青
 信号になったので発進しようとしたとたんに横滑りして、対向車と接
 触するのかなと思った」と言ったので、私は、「なに、いつもは、ノロ
 ノロ運転なのに、いつものようにノロノロとゆっくり発進すれば良い
 のに、急ぐからさ」とつい口走ってしまった。「今度から、送り向かい
 しなくて良いってかい」と強面の声で言われてしまった。40年前は、
 お淑やかな女性だったのにと思い。他の人に話し事がある「みんな
 年を取れば苦労した分、口が出ますって」と言われた。
 
  そんな楽しい冬から春を告げる季節を迎えるとき、楽しみにしてい
 る物がある。さくら餅とうぐいす餅である。毎年、たくさん食べはしな
 いが季節感が楽しみ。冬眠から解放されるような期待を持てるのが良
 いのかな。このさくら餅にしたって、子供の頃はうぐいす餅よりさくら
 餅の方が好きだったが、今は、うぐいす餅になってしまった。時間が
 経つと好みも変わってきた。大人になった今、まずいビールも心地
 よい飲み物になったように。
 先程の悪者カラスだけど、場所が変わると悪者カラスが知り合いの
 カラスに変身するのだ。勿論、家に来ているカラスと職場に来ている
 カラスは違う奴だ。昨日の弁当の残りが有ったら、それを時々駐車場
 に放り投げて与えている、この相反する事実をどうしょうか。説明しょ
 うにも出来ない行動を、いつかは筋道をつけて、自分の行動に説明が
 出来る日が来るだろうか。
 
 
 
 
                            春風するめ