寄り道
 
  「ジーっと家にいると....」
 
  いつも時間、いつもの様に変わらぬ食事と仕事、そんな
 生活は、物の見方と自覚が無く狭くなっていく事がある。
  それも、他人様から違った意見を出された時に、事件が
 起きる「あいつは、何わけのわからんことを」と、言って
 しまう。
  そんな自分には成りたくないと思うのは、殆どの人が持
 つ気持ちではないだろうか。
 
  以前、ウサギ(オス)を家で飼っていた、家の中では色々な
 悪さして我が物顔していたが、たまあに日光浴をさせようと
 外に出したら、すぐ家に入った。
  外は、外敵が多いからだと思うが、その事を思い出した。
  俗に言う、内弁慶だ。
 
   この内弁慶は、わりあいに多い。
  そして、いつ内弁慶になっているか、本人が気づかない
 から最悪の事態を生む、つまり周りの人が迷惑するのだ。
  あれだけ聡明な母だって、ジーっと家にいると、いつの
 間にか視野の狭い考え方になってきた。
  最近の母は、私の子供に、私の子供の頃の話をする。
 良いことも、都合の悪い事も話題にして、赤面する事もあ
 る。
私の母の話を終わるまで、子供達は、時々私の顔を見な
がら、話相手をしていた。
  誰でも今の世界から今一歩を踏み出し、別の世界への挑
 戦するって、もの凄く勇気のいることだ。
「そうでもないよ」と言える人は、勇気のある人だと思
 う。
母の悪口になってしまったけど、母を見て私の将来像を
垣間見ているのさ。
   そうさ二分の一は、母の血を引いているのだから。
  今の生活から、今の考え方から変える事の難しさを改め
 て知る。
 
  答えの無いまま昔の歌を思い出した。
 「シラケドリ、シラケドリ飛んでゆーけ、南のそーらへ」、
 その後に続く鳴き声「みじめ、みじめ」ってか。
 
 
                      春風するめ