寄り道
「雪が溶けて...」
待ちにまった春、雪が家の周りからやっと無くなってた状態にな
った。
寒さは、相変わらず続いてるけど、鳥達が来る巣箱を何個作ろ
うかなと考えるだけでも嬉しくなって、つい家内に話してしまった。
「不格好の物しか作れないのだから、あんまり、つくらないでよ」
と言われて、ショックだった。
まぁ、事実だから反論も出来けど去年は、ちゃんと寸法と線を引
いて作ったから、綺麗な鳥小屋だったけどな。
それにしても、どこのどいつが住んでくれるのだろうか。
そんな期待を持ちながら作るのは、ワクワクする。
これが、春なんだよなぁーっと、庭を眺めていたら、何かが動いた
そこに、目をむけて動かずに待っているとネズミが、堆肥場から庭
へと、盛んに行ったり来たりしているではないか。
そのうち、物置の近くにある穴に入っては出て、地面に落ちている
ヒヨドリの食べ残し、リンゴのクズを拾い出していた。
はじめは、まぁーいいかと思っていたが「あんな大きいネズミが家
に入って来たら大変だ」と思いネズミ取りを用意することにした。
調度、娘夫婦が千歳からの帰りに美味しそうな弁当を買ったので、
こちらに来るという連絡があったので、「来る途中で、ネズミ取りを
買って来て」と頼んだ。
早速、家内にネズミ取りのエサを持って来るように、言いつける
とソーセイジを小指の長さ半分に切って持ってきた。
薄いビニール皮を付けたままなので「なんで剥がさないの」と言う
と「すぐ、食いつくのなら良いけど、臭いが消えるの防ぐためよ」と、
訳の分からない理由に、成る程と納得してしまった。
翌日、握り拳二つ位の大きいネズミを捕らえ、土左衛門にして川
の土手に置いてきた。
春うららかの時期が始まったが、ネズミとのたたかいも始まった。
それにしても、美味しい弁当とネズミ取り用のエサと組合せで、偶然
頼んでしまったが、なんかへんな気分だ、ネズミと同じレベルかなぁっ
て思ってしまった。
カラスとトンビのように何かないかと探していると、土左衛門にした
ネズミを見つけるチャンスがあるだろう。
私にも、何か良い事にめぐり逢える春になるだろうと確信したい。
春風するめ
