寄り道
「ネズミに反撃..」(2の2)
天井裏をかけずり回るネズミに対して反撃を開始した。
物置や温室などに「ねずみ取り」を3個、朝と夕方のぞいて
掛かっているネズミをバケツに入れ「土左衛門」にしてから、
川の土手に置いた。
その時点では、ネズミに今までの仇を取ったと思っていた。
ネズミいなくなって、何日が過ぎただろう、ニワトリのオス
「ぴぴちよ」が、突然いなくなった。
その直後から、カラズが暗くなるまで庭で「がぁーがぁー」と
汚い声で鳴きながら低飛行していた。
家内が、「ぴぴちよが、いなくなった」と言ってきた。
当然のことながら探したが、羽すら見つからなかった。
カラスの鳴き声は日増しに大きくなり、近所に迷惑ならかと
心配になるくらいだ。
ところでネズミの「土左衛門」を誰か食べたのだろうかと気に
なってきた。
家内の話によると、カラスの子育てを庭でやっているそうだ。
「一生懸命にエサを与えているとさ」。
夜は、猫が来て、こちらをジーと見ている、咄嗟に、こいつと
カラスに「ぴぴちよ」がやられたと直感した。
「オスが喰われても仕方ないけどメスはダメよ」と、家内は泣
きそうな声で言っていた。
ネズミを取って彼らに与えて、この様(ざま)か。
カラスと猫の組み合わせで、ニワトリを狙いにきている。
よーく考えてみると、自然の成り行きかと理解するようにした。
我が家の対策は、とりあえずニワトリ小屋の出口に網を掛け、
出さないようにした。
割り切れ無さが残った。
家内は言う、「鳥の敵は、鳥だ」と。
女の人は、現実をすぐ受け入れる力を持っている。
私は、今回のネズミの件でわかったような気がした事あった。
生きることに、結論が出なくても戦いがあり、動物の不可解な
行動があり続くのだと言うことがわかった。
つまり、生きる事が闘いなのだと。
春風するめ